犬の毛にはアンダーコートとオーバーコートがあります。アンダーコートとは短くて柔らかい毛であり、オーバーコートは長めで丈夫な毛です。この2つの毛をどちらも持たない犬種はへアレスドッグと呼ばれます。日本で育てられているパピヨンはその多くがアンダーコートとオーバーコートを併せ持つ、ダブルコートでありヘアレスドッグではありません。一方で、スウェーデンではオーバーコートのみを持つシングルコートと呼ばれるタイプの犬種もよく育てられています。
パピヨンの毛は一定の長さ以上になると伸びなくなり、その後抜けていきます。
そのため、抜け毛が多いと感じる飼い主も多いかもしれません。
しかしながら、多少なりとも毛が抜けるというのは
犬の健康において自然なことであり、特に問題がないといえます。
犬の毛には成長期、退行期、休止期、新生期という4つの時期があります。
この中でも新生期は抜け毛が起こりやすく、同時に新しい毛が生えるタイミングとしても重要となっています。
毛の抜ける量や抜け方をチェックすると、その犬の健康状態を知ることが出来ます。
毎日安定した量が抜け続けている場合は問題がありませんが、
急激に抜けるようなことがあれば獣医師に相談することが大切です。
ブリーダーがパピヨンの健康を確認するときのポイント
パピヨンは比較的毛の長い品種なので順調に伸びている段階では気にする必要がありません。
しかし、急に伸びが悪くなったり、一部だけ抜け落ちたりした場合には
健康状態が悪くなっている可能性があるとブリーダーは判断します。
全体的に毛の伸びが悪くなっているときには、栄養状態に問題が発生している恐れがあります。
毛に必要となるのはたんぱく質や亜鉛です。
炭水化物を中心としたドッグフードばかりを与えていると、
たんぱく質不足になって毛並みが弱くなります。
それは抜け毛が増えることにも繋がります。
チキンや魚などを与えて安定して栄養を確保できる状態にしましょう。
部分的に抜けてしまった場合にはパピヨンがストレスを感じている可能性があります。
犬は人間と違い、ストレスが溜まっているかを自分で判断することが出来ません。
そのため、知らず知らずのうちにストレスをため込み、
それが体の異変となって初めてわかるということがあります。
ストレスが溜まっていると感じた時には意識的に散歩の時間を長くしたり、噛んで遊べるおもちゃをあげたりすることが有効です。
それでも治らない時には動物病院などで相談し、病と診断されればすぐに治療を開始しましょう。